ものがたり診療所庄東は、砺波市街地から庄川を東に超えたところにある。川向こうで雪が深い。火曜、金曜の午後の診療だが、除雪は欠かせない。汗を流すしかないか、それとも行政に特別に頼もうか、と思い悩んでいたが、早目に出かけるといつも除雪されている。砺波市もやってくれるな、と思っていたら、こんな仕組みで除雪がなされていた。
除雪機2台が砺波市から東般若地区に貸与され、オペレーターはこの地域に5~6人いて、地区が独自に判断して、除雪している。重機のオペレーター免許も砺波市が希望者に免許取得費用を負担し、実際に運転してもらった時は、手当てを払っている。というわけで、診療所はこの地域の公共施設となっており、当然除雪の対象とされているのである。公道、私道も住民で判断している。道路から離れたひとり住まいの老人であれば、これまた当然ということになる。これこそ地域自治の典型といわずに何がいえようか。
さすれば、医療福祉についてもこれにならって、地域自治が行なわれてもいいのでは、と思われてきた。介護保険はまとめて地域で運用を任せる。制度にとらわれないで、必要な人に、必要な時に、必要な介護を、地域が判断して実施していく。となれば、働くケアワーカーも当然予防重視となり、制度から解放されて、利用者に最も必要とされるケアが提供できると思うのだが、どうだろうか。(k)