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【講演】太田で暮らし続けるために at.太田地区高齢者学級

12月7日、ものがたりの街が在る砺波市太田地区の「太田地区高齢者学級」にて、「太田で暮らし続けるために」と題して、当法人理事長・佐藤伸彦が講演させていただきました。

会場には太田地区の皆さまを中心に約60名がご参加いただき、会場は満席の盛況となりました。

 

講演では、日本の人口減少や医療財政の現状をふまえながら、「何かあったら大きな病院に行けばよい」だけではなく、かかりつけ医や地域で支え合うことの大切さをお伝えしました。
また、ものがたり診療所が生命体としての、生物学的な「命」と、ものがたられる人生としての「いのち」を分けて考えながら、多職種でカンファレンスを行っていること、そして最期の過ごし方を前もって話し合う「人生会議(ACP)」の重要性など、ものがたり診療所が大切にしていることや24時間365日の体制で在宅医療をおこなっていることなどをご案内しました。

 

質疑応答では、かかりつけ医や胃瘻の判断についての質問もあり、皆さんが自分ごととして聴かれていたことが感じられました。
ものがたりの街は、太田で「その人らしく最後まで暮らせる」地域づくりを、これからも地域の皆さまとともに進めてまいります。
本日は、多数ご参加くださった皆さま、準備にご協力くださった皆さまに、心より感謝申し上げます。

 

佐藤伸彦【講演】太田で暮らし続けるために
佐藤伸彦【講演】太田で暮らし続けるために
佐藤伸彦【講演】太田で暮らし続けるために


ヒューマニティーズとものがたり

盛岡で生命倫理学会が行われ、参加しました。
「ヒューマニティーズとものがたり」というシンポジウムです。
ヘルスヒューマニティーズのよい日本語作れたら良いですね。
ACP–人生会議を参考にします。

祈り 3/3

科学や合理性が前面に立つ世の中では、非合理的とも受け取られがちな祈りが軽視される局面もあるが、一方で祈りは間違いなく人間の営みの中核をなす行為の一つだ。
それを無視することは、私たち自身に宿る一部を否定することと同義ではないか。
祈りには、言葉や論理的な説明を超えた感覚を持つ力がある。その目には見えない力こそが「人間らしさ」を支えているのかもしれない。
祈りとは人間が内省しつつも、外の世界や他者と交わろうとする営みで、それは単なる慣習や儀礼を超え、私たちに生きる意義や希望を提示し得る深い行動である。
祈りが誰に向けられ、どのように成されるかは個々人の価値観で異なるが、その本質には常に「何か超越的な存在と結びつきたい」という人間の根源的願望が隠されている。
佐藤伸彦
祈り

祈り 2/3

祈りは単純に「願い」を伝える行為にとどまらない。
むしろ祈ることを通じて、心を整理し、内なる平静を取り戻すこともできる。
その祈りが誰にも「届かなくとも」、祈るその行為自体が人の心に癒しや救いをもたらすものでもある。
祈りには、言葉だけでは表せない感情や思考を可視化する力が秘められている。
また祈りは、個々の内なる行動であると同時に、社会的・文化的な行為でもある。宗教儀式や共同体イベントにおける祈りとは、人と人を結びつける存在である。
それは個だけでなく集団をも紡ぐものとなり、同じ目標や願いを共有する場を生み出す。
この観点からすると、祈りは私たちの人間関係や社会での連帯感にも大いに寄与していると言えるのではないか。
佐藤伸彦
祈り

祈り 1/3

「祈り」、それは一体どのような意義を持つ行為なのか。
私たちが他者や超越的な存在と交わりを持つための手段の一つとも考えられる。
「他者」とはときに神であったり、自然であったり、あるいは墓所や特定の物体などの姿を取ることもあれば、目に見えない、とらえどころのない存在である場合もあるだろう。
人は祈りを通じて、自らの内面にある願望や感情を表現し、それを通じて外の世界とつながりを求める。
祈りの範囲は実に多様である。
時には日常的なささやかなお願いごとな場合もあれば、深い内心の対話の場として機能することもある。
例えば、東日本大震災をきっかけとして、多くの人々が海に向かい手を合わせた。
その祈りは、ただの願いというものを超え、悲しみや喪失感、さらには言葉に尽くしがたい感情を吐き出す行為となってい他のではないだろうか。
過酷な状況でも、祈りは人間が自身を保つための重要な術ともなる。
佐藤伸彦
祈り

心象の絆

ものがたりヘルパーステーションのスタッフと毎週月曜日に、患者さんの情報共有という名目で、話をする時間を作ってもらっています。
その中でいつも一つ質問を受けるのですが、今日の質問は「心象の絆」と私が使っている意味が知りたいということでした。
現時点での考えをお話ししました。その内容をせっかくですので書いてみました。
興味ある方はお読み下さい。

 

 

 

心象の絆

「心象」とは、私たちの内面にある、個人的な感情、記憶、経験に根ざしたイメージや感覚のことで、単なる視覚的な像ではない。意味や感情が深く結びついた、主観的な世界である。
一方で「絆」とは、理性や契約を超えた、非言語的な他者との結びつきのことである。
この二つの言葉を組み合わせることで、「心象の絆」は、論理や言葉だけでは説明できない、意識の深い層で他者とつながろうとする人間の営みを表そうとした。

 

1. 共通の心象が結びつける共感
私たちは、同じ文化や歴史、あるいは特定の体験を共有することで、似たような心象を抱くことがある。

例えば、ある音楽を一緒に聴いたときに心に生じる熱い想い、久しぶりに帰った故郷の風景を見たときにホッとする想い、言葉にするのが難しい心の動きを、他者と共有していると感じる瞬間がある。
このような共通の心象は、言葉を介さずに、あたかも魂が共鳴し合うかのような深い共感と連帯感を生み出します。

これは、カール・ユングの「集合的無意識」の概念にも通じる、人間の意識の奥底にある共通の基盤から生まれるもの(絆)と言える。

 

2. 表現としての心象と他者への伝達
私たちは、自分の心象を他者に伝えようと試みる。

詩や絵画、音楽、あるいは何気ない一言にも、その人の内面にある心象が反映される。

この表現の試みは、単なる情報の伝達ではなく、自己の内なる世界を他者と共有しようとする能動的な行為である。
例えば、作家が物語を紡ぐとき、それは個人的な心象を言葉に変換し、読者の心に届ける試みである。

読者はその物語を通して、作家の内面に広がる心象を追体験し、共感や感動を覚える。

ここに、「表現と受容」という形で「心象の絆」が生まれる。

 

3. 他者の心象への応答と倫理
「心象の絆」の最も深い側面は、他者の心象をありのままに受け入れようとする倫理的な態度にあります。

私たちは、他者の言葉や振る舞いから、その人が抱える喜びや苦しみ、希望や不安を想像し、共感しようとする。
これは、エマニュエル・レヴィナスの他者論における、言葉以前の「他者の顔」を見て、その存在を受け入れるという倫理的な責任と重なる。

自分の意識の枠に他者を当てはめるのではなく、その「異他性(alterity)」を尊重し、心象の伝達を試みる他者へと開かれること。

そこにこそ、真の絆が芽生える。
「心象の絆」は、論理的な思考や表面的なコミュニケーションが支配する現代社会において、見失われがちな人間関係の根源的な側面を指し示している。

言葉の限界を超え、互いの内面に触れようとする、人間特有の尊い営みではないか。。

 

 

佐藤伸彦

 

 

心象の絆


見守る

そのまま何もせずに見守ろうと思います。
他の動物に狙われるかもしれない
巣が落ちるかもしれない
「見守る」という行為は、相手の自律性を尊重する姿勢の一つ。
ツバメの子育ても、人間が過度に手を出すと、親鳥が巣を放棄することがあるらしい。
善意の介入が逆効果になるという事か。
「手を出すこと」だけでなく、「手を引くこと」にも価値があるのだろう。
でも、そう思ったのは
単純に目が合ったからです
佐藤伸彦
見守る 見守る

言葉にならないことを表現すること

ずっと作家になりたかった。
父の影響が多分にある。
でもそれは無理だと大学時代に諦めていた。
私には、言葉にならないことを言葉を使って表現することが、どうしてもどうあがいてもできなかった。
何かを説明することはかろうじてできるかもしれないが、何かを表現することができなかった。
(悩み続けた大学時代の10年)
今、言葉にならないことを、映像で表現することができる人と繋がることを、心から待ち望んでいる。
その中でまた父と会えるような気がしている。
(下の写真で真ん中で父の膝に乗っているのが私です)
佐藤伸彦

死生観とは

ー死生観とは極めて個人的なものであるー
師匠は否定しなかった。
一緒に過ごした最期の時間は、私にとってかけがえのないものであり、使者(死者)として私の中に生まれた実感(リアリティ)がある。
ものがたりの時空を超えた連続性である。
佐藤伸彦
死生観とは

誕生日に想う

今日で67回目の誕生日を迎えました。
生きている間は前向いていこうと思います。
最近の想いを書いてAIで作ったらこのような画像になりました。
なかなかです。
みなさんこれからもよろしくお願いします
佐藤伸彦
誕生日に想う

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スタッフがケアや医療についてのこと、日々のこと等を書き綴っています。

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