祈り 2/3

祈りは単純に「願い」を伝える行為にとどまらない。
むしろ祈ることを通じて、心を整理し、内なる平静を取り戻すこともできる。
その祈りが誰にも「届かなくとも」、祈るその行為自体が人の心に癒しや救いをもたらすものでもある。
祈りには、言葉だけでは表せない感情や思考を可視化する力が秘められている。
また祈りは、個々の内なる行動であると同時に、社会的・文化的な行為でもある。宗教儀式や共同体イベントにおける祈りとは、人と人を結びつける存在である。
それは個だけでなく集団をも紡ぐものとなり、同じ目標や願いを共有する場を生み出す。
この観点からすると、祈りは私たちの人間関係や社会での連帯感にも大いに寄与していると言えるのではないか。
佐藤伸彦
祈り