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訪問看護

医療福祉の世界は意外と狭く、情報があっという間にひろがる。
しかも尾ひれがつくことがあり、言い訳ばかりする羽目になることが多い。

実は訪問看護ステーションを4月30日で休止することを決めた。
訪問看護は在宅医療に欠かすことのできない存在で、それを休止にするとはどういうことだになる。
訪問看護の仕事は医療保険対応と介護保険対応とに大別されるが、在宅末期を中心とするナラティブホームの場合は医療保険となる割合は非常に高い。
平均が2対8とすれば、4対6ぐらいだ。

この2年間ステーション形式でやってきたが、在宅末期の患者さんは病状の変化が待ったなしで起きるので、医師の指示命令書を文書で事前にやれというやり方では、なかなかに厳しい。
加えて、これが一番大きい問題だが、文書情報が診療所と看護ステーションで別々になっており、患者さんの変化履歴が医師、看護師で共有できないという最大の欠点に悩まされてきた。
この解決策として、ステーションを休止して、看護師を診療所付きにして、「みなし訪問看護」でやってみようとなったわけである。
これだと医師の診療録(カルテ)に訪問看護の指示が記録され、看護師は看護記録として同一画面上で時系列に記載することになる。
1年間休止して、このことを検証することにしたのである。
患者さんに迷惑をかけることもなく、ちょっと収入的にマイナスとなるがこれはやむをえないと思っている。
4月1日現在で看護スタッフは8人を数える。
今まで以上に在宅医療でみなさんに貢献できることは間違いない。
休止をつぶれたと誤解する人もいて、大変なのだが、しばらくは辛抱強くこのことを伝えていかなければならない。
読者のみなさんも是非、ご理解いただきたい。(K)


カーネーション

女性が仕事に打ち込んで、生き生きしている。
朝ドラ「カーネーション」もそうだが、見ていて実に気持ちがいい。
その小原糸子に負けないAさんの話です。

Aさんの仕事は町の写真屋さんである。
戦後夫婦で立ち上げ、今年が60周年。
夫に負けないくらいにAさんもシャッターを切ってきた。
ものがたりの郷に入居されたのは昨年の10月で、83歳での癌末期だったが、誰が部屋に行っても愛想がよく、自分から話かける明るい人だった。
日本昔話なんかも、いくつも覚えていて、孫に話すように話し出す。
自然と笑顔になってきて、こうして子どものシャッターチャンスを作っていたのかとそのプロ根性に舌を巻いた。
商売も積極的で、小さな井波から、砺波、高岡と3店舗を構え、娘さんがあとを継いでいる。
ここでもカーネーションには負けてはいない。

残念ながら、3月5日に亡くなられたが、娘さんふたりに手を握られて「ありがとう」の声を掛け合っての感動的な最期となった。
また気丈夫らしく、トイレは最期まで自分でといい張り、転んで顔に痣が出来ていたが、わがスタッフの名人芸に達したエンゼルメイクで、晴れ晴れとした実にきれいな死顔であった。
前日に、オレンジを所望されて、実に気持ちよく飲み込まれたのが、こちら側の満足である。
朝ドラ仕立てにしてもいいくらいの人生であったことは間違いない。(K)


かあさんの家

南国・宮崎県宮崎市の話である。
近所の民家を借り上げて、看取りの家に仕立てあげた。
有料老人ホームとか、サービス付き高齢者住宅とかではなく、いわば下宿人をおくという感じである。

「かあさんの家」と呼んで、それが現在4軒となっている。
7年間で38人を看取っているのだが、リーダーの市原美穂さんは必要にせまれてやってきたこと。
基準とか制度を待っていたら、とてもできなかったろう。
また行政もグレー部分には明確に指示しません。むしろ、後向きのアドバイスとなります。待ったなしでやるしかないのです。

政策が急激に病院、施設から在宅へと舵を切りながら、その受け皿をまったく用意していないことが問題であり、これをいけないというなら、誰が、どこが、引き受けるのかと意に介さない。
ほぼ5人を定員にして、介護スタッフ5~6人が365日24時間見守る。

「かあさんの家」のいいところは、身動きする物音や小さな呼び声、寝息、匂いを感じとりながら、それを察してケアができること。
もちろん在宅医、訪問看護師などが随時入ってサポートをしてくれる。みんな外付けだから、誰でも、どこでもできるのだ。

「ご遺体がどういう状態であるかが、介護者の通信簿です」と妙に記憶に残る。
これを持続可能なシステムにしていくのがポイントで、家賃や食事で85,000円、その他生活支援費で4万~6万円、その他に医療費、介護費の自己負担が加わることになる。
これが限界であり、収支はトントンで、営利事業としてはまったく成り立たないという。

「かあさんの家のつくり方」という本を出版して、いろんな地域で挑戦してほしいと呼びかけている。
お会いしたのは東京で行われたケアワーカー集会だったが、47年生まれというのに溌剌40代に見えた。(K)


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