医療福祉の世界は意外と狭く、情報があっという間にひろがる。しかも尾ひれがつくことがあり、言い訳ばかりする羽目になることが多い。
実は訪問看護ステーションを4月30日で休止することを決めた。訪問看護は在宅医療に欠かすことのできない存在で、それを休止にするとはどういうことだになる。訪問看護の仕事は医療保険対応と介護保険対応とに大別されるが、在宅末期を中心とするナラティブホームの場合は医療保険となる割合は非常に高い。平均が2対8とすれば、4対6ぐらいだ。
この2年間ステーション形式でやってきたが、在宅末期の患者さんは病状の変化が待ったなしで起きるので、医師の指示命令書を文書で事前にやれというやり方では、なかなかに厳しい。加えて、これが一番大きい問題だが、文書情報が診療所と看護ステーションで別々になっており、患者さんの変化履歴が医師、看護師で共有できないという最大の欠点に悩まされてきた。
この解決策として、ステーションを休止して、看護師を診療所付きにして、「みなし訪問看護」でやってみようとなったわけである。これだと医師の診療録(カルテ)に訪問看護の指示が記録され、看護師は看護記録として同一画面上で時系列に記載することになる。1年間休止して、このことを検証することにしたのである。患者さんに迷惑をかけることもなく、ちょっと収入的にマイナスとなるがこれはやむをえないと思っている。4月1日現在で看護スタッフは8人を数える。今まで以上に在宅医療でみなさんに貢献できることは間違いない。
休止をつぶれたと誤解する人もいて、大変なのだが、しばらくは辛抱強くこのことを伝えていかなければならない。読者のみなさんも是非、ご理解いただきたい。(K)